何社か見てきたけれど、どの会社にも良いところがあって決められない。性能ならA社、デザインならB社、価格ならC社……と比較しているうちに、余計に分からなくなってきた。家づくりを始めていろいろな会社を回っていると、こういう状態になることがよくあります。実は私もそうでした。
私も3軒目の家を建てるとき、何社か比較してすごく迷いました。それぞれの会社に魅力があるので、知れば知るほど一つに絞るのが難しくなるんですよね。
住宅会社を決める前に、「どの会社が一番いいか」ではなく、「自分たちは家に何を求めているのか」を一度考えてみてください。すべてにおいて一番の住宅会社を探そうとすると、なかなか決められなくなってしまいます。
ハウスメーカーが決められないのは、どこも一長一短だから
何社か比較していると、価格はA社が魅力的だし、住宅性能はB社が安心。でもデザインはC社が好きだし、営業担当者の対応ならD社が一番良かった。そんな風に、各社それぞれに違う魅力が見えてきますよね。
価格も性能もデザインも、すべて自分たちの希望どおりという会社が見つかれば迷いません。でも実際に何社か見ていくと、「ここはいいけれど、ここは少し違う」という部分が出てきます。だからこそ、細かく比較すればするほど迷ってしまうこともあります。
全部が一番の会社を探すのではなく、自分たちが大切にしたいことで納得できる会社を探す。私はその方が住宅会社を選びやすいと思っています。
まず家族で「何を大切にしたいか」を話してみる
住宅会社をさらに比較する前に、一度家族で「どんな家に住みたいのか」「家に何を一番求めるのか」を話しあってみてください。
自分たちが何を大切にしたいのか決まっていないまま住宅会社を回っていると、それぞれの営業担当者からその会社の良さを聞くたびに、気持ちがグラグラと動いてしまいます。
だから私は、住宅会社を見る前に「自分たちは何を大切にしたいのか」を家族で話しておいた方がいいと思います。
家づくりで譲れないものを3つ選んでみる
まず、一旦、立ち止まって考えてみてください。以下の項目の中から「これは譲りたくない」と思うものを3つ選んでみましょう。そこから家族が望む家選びが見えてきます。
□ デザイン・意匠
外観や内装など、見た目にも満足できる家にしたい
□ 価格・コストパフォーマンス
無理のない予算で、できるだけ納得できる家を建てたい
□ 光熱費・ランニングコスト
建てるときだけでなく、住み始めてからかかるお金も抑えたい
□ 地震・災害への強さ
地震や台風などへの備えを重視したい
□ 夏の涼しさ・冬の暖かさ
家の中をできるだけ快適な温度に保ちたい
□ 間取り・暮らしやすさ
家事動線や収納など、毎日の使いやすさを重視したい
□ 住宅会社への安心感
施工実績やアフターサービスも含め、長く付き合える会社を選びたい
□ 設備・仕様
キッチン、お風呂、床材など、使いたい設備や仕様を大切にしたい
3つ選べましたか? それでは、その3つに1位・2位・3位を付けてみてください。
たとえば「1位 夏の涼しさ・冬の暖かさ、2位 価格、3位 住宅会社への安心感」と決まれば、住宅会社を見るときにも何を優先して比較すればいいのかが分かりやすくなります。
これは住宅会社を決めるための診断ではありません。自分が家に何を求めているのかを考えるきっかけとして、参考にしてみてください。

夫婦で別々に選んで、あとで比べてみる
最初から夫婦で一緒に相談して答えを出すのではなく、それぞれが別々に3つの項目を選んでみて、あとから見せ合うがおすすめの方法です。
たとえば、夫は「1位 地震への強さ、2位 価格、3位 夏の涼しさ・冬の暖かさ」を選んだとします。一方で妻は「1位 間取り・暮らしやすさ、2位 デザイン、3位 夏の涼しさ・冬の暖かさ」を選んだとしましょう。
この結果を見比べると、「夏の涼しさ・冬の暖かさ」は夫婦で共通していますが、夫は耐震性を、妻は間取りやデザインをより重視していることがはっきりと分かります。
ここでお互いに「二人とも大切にしているものは何か」「違うところは、どこまでなら譲れるか」をじっくり話してみます。もしかすると、住宅会社を決められない原因は会社そのものではなく、家族の中での優先順位がまだ整理できていないことにあるのかもしれません。

私も3軒目では、どの会社にするか迷いました
私の3軒目の家づくりでも、一条工務店、積水ハウス、ダイワハウスの建売、桧家住宅など、いくつかの会社を比較しました。
一条工務店は住宅性能に魅力を感じましたし、積水ハウスはデザインに惹かれました。ダイワハウスの建売は価格の面で比較材料になりましたし、桧家住宅は性能や価格、全館空調のZ空調などを見ていました。
どこにもそれぞれ違う魅力があったので、「この会社が圧倒的に一番」という感じではありませんでした。だから最後は、会社同士を比べるだけではなく、自分が家に何を求めているのかを考えることになりました。
私が3軒目で特に重視していたのは、冬の暖かさ、住宅会社への安心感、施工実績、価格でした。最終的にはそれらを総合して桧家住宅を選びましたが、これは自分が一番大切にしていた条件で判断した結果です。
価格だけでハウスメーカーを決めない
予算は住宅会社を選ぶうえでとても大切です。予算を無視して住宅会社を選ぶわけにはいきません。ただ、私は「見積もりが一番安かったから」という理由だけでは決めてはいけません。
金額だけを見るのではなく、「その金額でどんな家が建つのか」を確認したいからです。住宅性能や標準仕様、使われている設備、オプションの有無、付帯工事や外構工事、保証内容などは会社によって違います。
営業担当者も、住宅会社を選ぶ判断材料のひとつ
もちろん、その住宅会社が自分たちの希望する家を建てられることが大前提です。ただ、そのうえで営業担当者の対応も、会社を選ぶ判断材料のひとつになります。
こちらの質問にきちんと答えてくれるか。自社の良いところだけでなく、気になる点も説明してくれるか。契約を必要以上に急がせないか。私はこういうところも見ます。
家づくりは契約して終わりではありません。その後も打ち合わせや建築が続き、家が完成してからの付き合いもあります。だからこそ、担当者やその会社に安心して任せられるかも大切だと考えています。
2社まで絞ったのに、それでも決められないときは?
しっかり話し合って十分比較して、なんとか2社まで絞れている。それでも決められないときは、すぐに別の新しい住宅会社を探そうとする前に、まずその2社をもう一度じっくり比べてみてください。
同じ条件でもう一度比べてみる
予算、家の大きさ、間取り、希望する住宅性能、使いたい設備など、できるだけ同じ条件を揃えて比べてみます。前提条件が違う見積もりを、最終的な金額だけで比較しないようにしたいところです。
できることだけでなく、できないことも聞いてみる
各社の良いところばかりを聞くのではなく、「自分たちの希望の中で、この会社では難しいことや別料金になることは何か」も確認してみてください。良いところだけを比べていると、なかなか差が見えてこないこともあります。
どちらを選ばなかったら後悔するか考えてみる
たとえば、A社を選ばなかったら、住宅性能を諦めたことがずっと気になりそうなのか。それとも、B社を選ばなかったら、好きだったデザインを諦めたことが気になりそうなのか。
「どちらがいいか」だけで決められないときは、「どちらを選ばなかった方が後悔しそうか」と考えてみるのも、気持ちを整理するひとつの方法です。

値引きだけで契約を決めない
住宅は大きな買い物なので、価格や値引きの額が気になるのは当然です。金額が大きく変われば、気持ちが揺らぐこともあると思います。でも、キャンペーンや値引きだけを理由にして、それまで家族で考えてきた優先順位を変えない方がいいと私は思います。
昨日まで迷っていた会社が、値引きされた瞬間に自分たちに一番合う会社になるわけではありません。
少ない選択肢ならほかの会社も調べてみる
すでに4社、5社と十分比較して悩んでいるなら、むやみに候補を増やすとさらに迷ってしまうかもしれません。一方で、最初に住宅展示場で見た会社だけ、誰もが知っている有名な会社だけといったように、比較対象そのものが少ない場合は少し違います。
たとえば、「たまたま最初に見た2社のどちらかから選ぼう」として迷っているなら、その2社から無理に決める必要はないと思います。ほかに自分たちが大切にしたい条件に合う会社がないか、一度調べてみてもいいでしょう。
もちろん、2社をしっかり比較して「どちらかに決めたい」と思えているなら、無理に候補を増やす必要はありません。
私は住宅展示場へ行く前に、候補を絞った方がいいと思います
私はこれまでに住宅展示場へ10回以上行っています。でも、1回行くと最低でも半日程度はかかりますし、複数のモデルハウスを見ると一日がかりになることもありました。帰宅すると本当にグッタリ疲れてしまいます。
私の場合、見学後に電話連絡を受けたこともありますし、過去には見学した当日の夜に営業担当者が自宅へ来て、少し不快に感じたこともありました。
だから私は、住宅展示場を住宅会社をゼロから探す場所というより、事前に調べた「気になる会社」を実際に確かめる場所として利用した方が効率がいいと考えています。

住宅展示場を何社も回ると、本当に疲れます。今の私なら、自宅で候補を絞ってから「実際に見てみたい会社」へ行きます。

住宅会社がまだ絞れていないなら、まず資料を比べてみる
2026年8月に、家づくりNOTEを作るにあたって「タウンライフ家づくり」を実際に試してみました。
土地60坪(南道路)、建物予算2000万円、3LDKという条件で、富士住建、一条工務店、住友林業、タマホームなど計7社へ依頼しました。結果から言うと、具体的な間取りプランや見積もりが届いた会社は1社もありませんでした。数社からは細かい希望を確認するための追加質問メールが来ました。今回は検証目的だったため、私はそのメールには返信していません。
ただ、総合カタログや商品別カタログなどの資料は多く届きました。メールでの連絡を希望した結果、今回電話は1本もありませんでした。資料が出揃うまでには、おおむね3週間くらいかかったと記憶しています。
具体的な間取りや見積もりが何もしなくても届く、という結果ではありませんでした。それでも、自宅でいろいろな住宅会社の資料を見ながら候補を探す方法としては使えると感じました。
まだ比較する住宅会社が少なく、「自分の地域ではどんな会社に相談できるのか、まずは調べてみたい」という方は、こういったサービスで候補を探してみてもいいと思います。

まとめ|家族が大切にしたいものから住宅会社を選ぶ
ハウスメーカーが決められないのは、各社にそれぞれ違う魅力があるからです。迷ってしまったときは、まず家族で「どんな家にしたいのか」を話し合い、譲れないものを3つ程度選んでみてください。夫婦それぞれで選んで比べるのも、お互いの考えが分かっていい方法です。
自分たちの基準が見えてきたら、その条件で現在の候補をもう一度比較してみましょう。すでに十分比較しているならむやみに会社を増やさず、比較対象が少なくて迷っているなら、ほかの住宅会社も調べてみてください。
私はこれまで3回家を建てましたが、今でも、すべての人にとって「一番いい住宅会社」があるとは思っていません。何を大切にするかは、家族によって違うからです。
大切なのは、自分たちが家に何を求めるのか。その答えに一番近い会社を選ぶことだと私は思っています。
























3回建てた今でも、「どの会社が一番いいですか?」と聞かれたら答えるのは難しいです。家に何を求めるかで、選ぶ会社は変わると思っています。